作詞家 牛沢襄二

牛沢襄二はしぐれ曽我やうつぼ猿など、後に名曲と呼ばれる題材を錦琵琶に提供した作詞家です。本業は海運業。

錦穣とは昭和15年に知人の紹介で知り合います。清元を嗜み、従来の琵琶作詞と趣の異なる作風を琵琶界に持ち込みました。代表作としてしぐれ曽我(昭和18年)、墨田川(昭和21年)、うつぼ猿(昭和23年)等。

牛沢壌二 表(昭和36年)

牛沢襄二 裏(昭和36年)


藤波は結婚直後の昭和36年初夏、錦穣先生から「作詞を歌わせていただくのだから、一度ご挨拶なさい」と言われ、夫婦で鎌倉に住む牛沢先生を訪ねます。当時既に高齢でしたが、藤波の訪問を快く迎えた先生は、「どれちょっと歌ってごらん」と藤波にしぐれ曽我の一節を促し、作詞意図を加えながら藤波に「良い」とお墨付きを与えました。

色紙は程なく琵琶会の楽屋に現れた氏が藤波に贈った、仲睦まじい夫婦の情愛を桜貝にたとえたもの。奇しくも同時期錦穣先生が母藤波に送った歌と同じ題材です。
※昭和26年とあるのは昭和36年の誤り、

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