Monthly Archives: 10月 2017

[琵琶読本] 才子の才敗け

 師は親に等しく、弟子も子も同じである以上、人生の根本と同じである。そこで人生観というものがなければならない。  私は「我々人間は種族の向上ということ ーもっと突き詰めていうとー 子孫の向上である。つまり親よりも子、子よ […]

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[琵琶読本] 歌についての意見

 薩摩琵琶歌は数においてはかなり沢山あるけれども、質においては現代人の要求を満たすだけの歌や必要な歌がはなはだ少ない。その少ない中からやりくり算段的に選択した歌(軍歌など失敬して除外)、そんな苦しい算段をせずに無条件で受 […]

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[琵琶読本] 芸の角

「丸くとも一角あれや人心」という古人の句があるが、なかなか味のある言葉だ。今これを弾奏のほうへ移して考えてみるとはなはだ得るところがある。弾奏はギスギスした角ばかりのものは上出来でない。さりとてなだらかな一方で少しも角の […]

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[琵琶読本] 読み方を正しく

 発音の他にもうひとつ注意せねばならないのは読み方である。正しく読む中にもまた、仏語(仏教用語)は仏語としての読み方があるし、漢語は漢語としての読み方もある。

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[最近琵琶発達史] はしがき 作 小室汀月

掲載に寄せて 本書は、大正11年[1922]8月に刊行された登文閣「現代琵琶人名録」巻末に附した寄稿文です。執筆は主任編集者の小室汀月氏、人名録そのものが約千名を網羅した圧巻たる取材内容なのですが、本書はそれに附するにふ […]

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[琵琶読本] 発音についての注意

発音には充分の注意を払っていただきたい  発音について、かつて私にこんな事を言った人があった。 「一度や二度ぐらい聴いて分かるような歌い方では駄目だ、度々聴いているうちに分かるようになるのが良い」  これを聞いた私は、あ […]

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[琵琶読本] 歌のうたい方について

 確か西郷南洲(隆盛)翁だったと記憶しているが、「人と語るのに語尾に力のこもっていない者は軽薄者である」と言ったが実に至言(※1)である。また古人は「終わりを完う(※2)する」ということを教えている。

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[琵琶読本] 美声家の不注意

 昔から「一声ニ節」といって声は大切なものとされてはいるが、実際声の美しい人は1割方利がある。けれども美声家には油断が多い。油断の結果が知らず識らず邪道に陥る。これは自惚れと梅毒(かさ)つけとが人間につきものである以上免 […]

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交響曲 日本の城 [1968]

錦穣先生が”自分がオーケストラの仕事をした”、と家庭に入り子育て奮闘中の藤波に伝えたことがありました。それがこの曲、小川寛興作曲の交響曲 [日本の城]です。明治100年を記念して製作された本作の作 […]

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[琵琶読本] 声の養生と修練について

 声の養生ということについては、すべて声を使う人達はみな相当に注意を払っているが、その養生法は人々によって相違があるのでこの方法が良いとは一口には言えない。例えば昔からナスの漬け物は咽喉に悪いと言われているが、私は平気で […]

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