撥捌きの練習法
撃剣に、打ち込み、切り返し、素振りなどある如く、琵琶を弾くのにも同じような練習法がある。これは私の思いついた練習法で、他には誰もこの練習法はやっていないようである。
そのやり方は、一の弦、三の弦、二の弦、四の弦という順序に打つのである。一、三、二、四、三ー一、三、二、四、三、とくり返しくり返しやるのである。そして一三二までは同じ間でやり、かつ大きく強く打つ。それから少し間をおいて四三とは小撥で早くやる。ただし強さに変わりのないように、依然として強く正直にやる。決して小撥なりともいえども撫でたりこすったりしてはいけない。
この際の左手は、ただ琵琶を支えているだけである。弦を押さえてはいけない。
このやり方によって一つは撥さばきが良くなり、また一つは調子を聞き分ける耳の修練法にもなる。何でもないようであるが非常に効果的であるが為に私は琵琶を持つ毎にこれを多年やっている。
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良農は水早の為に耕を止めず
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アレクサンドル大帝も一度は泣く子なりき(英諺)