作詞家 原田謙次

原田謙次氏は、非凡な語学力を活かしイタリア文学の翻訳を手がけ、公職退官後は邦楽の作詞に専念し、琵琶歌等数多くの著作を残した方です。

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原田謙次[1893-1971]

明治26年、佐賀の旧士族の家に生まれ、長崎で幼少期を過ごす。大正元年上京して旧制一高入学、同4年早稲田大学では英文学を専攻、日本文学も研鑽を積み、大学時代は文学者佐佐木信綱に師事して和歌の手ほどきを受ける。のちに吉江喬松島崎藤村にも師事する。

大学卒業を機に文学研究生活に入り、イタリア大使館の通訳官奉職の傍ら、各種邦楽の作詞を始める、その後外務省に勤務するも、特に琵琶の作詞には力を入れ、新しい琵琶歌を次々創作する.

昭和38年「びわ源氏物語特集」として第十八回芸術祭参加公演を主催、全ての出展作品を自作するなど、晩年まで琵琶歌の作詞に尽力した。その作品数は百余を数える。

昭和46年小平の自宅で老衰のため死去、享年78歳。

 

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