琵琶機関誌”京絃”に昭和54年(1979)掲載された寄稿文の最終回です。
芸と祓い
山鹿さんは二十九歳で結婚した。結婚する前は筑後を中心に廻っていたが、子供が出来てからは南関町や山鹿市など、主に家の近くを廻るようになった。また山鹿さんの琵琶師としての活動は大変広いものであった。
座敷琵琶や、わたまし、釜は祓いの他追善供養、観音様、御大師様、神社の夜籠りー等、様々な機会に招かれ、琵琶を弾いた。仏事には般若心経、懺悔経、舎利経、三十仏などの経文や仏名を唱えた。また村の祝事の祈りに琵琶を弾いたこともあった。 Continue reading