[肥後琵琶](上) 山鹿良之

以下は関西の琵琶機関誌”京絃”に昭和54年(京絃298−301号)に掲載された記事です、執筆者は村山道宣さん。その時その場所でしか聞けない貴重なインタビューが綴られており、ここに数回にわたり転載いたします。

肥後琵琶師の山鹿さん
まだ強い日差しの残る、夏も終わりになった或る日、私は熊本県の北端にあり、筑後平野にも程近い玉名郡南関町小原に住む琵琶師・山鹿良之さんを訪ねた。明治34年、同地の農家に生まれ、今年76歳(昭和54年当時)になる山鹿さんは私に修業時代の話や門弾きの折の話など数々の思い出話をしてくれた。 Continue reading

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令和5年夏季琵琶楽大演奏会

表題の演奏会に錦心流の大和龍弦氏と出演いたします。みなさま是非おいで下さい。

6月18日番組

6月18日外側

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[訃報]岩﨑玄龍師

岩﨑玄龍師

薩摩琵琶錦心流の岩﨑玄龍師が2月7日亡くなられました。享年75歳、そう広くない琵琶界において強烈な個性を放っていた方だけに大変惜しい人財でした。

師は錦心流浅野晴風門人、のち薩摩琵琶伊集院流の望月唖江師に師事し、浅野晴風門下として山下晴楓師、薩摩正派の望月唖江師門人として錦の水藤五朗師と兄弟弟子という関係で、私ども錦琵琶にも影に日向に応援していただきましたこと誠に深謝いたします。師のご冥福をお祈りいたします。

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令和5年新春琵琶楽名流大会

きたる1月14日(土)東京証券会館に於いて新春琵琶会が催されます。下記パンフレットの通り私共藤波母子も出演致します。他各流派の代表的奏者も出演します、ご興味のある方是非おいで下さい。

令和5年新春名流大会内側

令和5年新春名流大会外側

とき 令和5年1月14日正午開演
ところ 東京証券会館8Fホール

1.湖水乗切(鶴田流)六川あや
2.春の宴(鶴田流)逢坂誉士
3.耳なし芳一(錦心流)坂麗水
4.秋風故郷山(筑前)澤邊旭秋
5.西行(錦心流)荒井泉水
6.うつぼ猿(錦)
歌:藤波桜華 絃:藤波白林
7.勝と西郷(錦心流)篠井啓水
8.会津娘子隊(筑前)高津旭房
9.毒饅頭(錦心流)大熊阿水
10.大物の浦(筑前)鶴山旭祥

ー休憩10分ー

11.羅生門(筑前)石橋旭姫
12.月下の陣(薩摩)
歌:本橋汕舟 絃:清川嵐舟
13.花吹雪(錦心流)小金澤朱水
14.那須与一(鶴田流)櫻井亜木子
15.曲垣平九郎(筑前)田代旭美
16.大高源吾(錦)都穂鳳
17.勧進帳(錦心流)森中志水
18.お市の方(錦)水藤桜子
19.大楠公(筑前)竹本旭将
20.潯陽江(薩摩)須田誠舟

17時30分頃終演予定

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吉岡悠水師追悼演奏会 秋田

うっかり事後の書き込みになってしまいましたが表題の演奏会に出演して参りました。

吉岡悠水師追悼演奏会表面

吉岡悠水師追悼演奏会表面

錦心流琵琶全国一水会秋田東支部

2022年11月23日(水祝)13時開演
於:ねぶり流し館(秋田市)

出演
1,金剛石  中田実
2,屋島の誉 高濱遼平
3,羅生門  鹿島茜水
4,さくらさくら 長谷川万水
5,湖水乗り切り 吉岡悠水(録音)
6,船弁慶  加藤雨水
7,   欠演
8,勧進帳  藤波白林
9,巴御前  鷹觜優水

私は勧進帳を演奏、コロナ禍でしたが多くのお客様がおいでになりました。

-勧進帳- 藤波白林

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椎葉の月 水藤錦穣/藤波櫻華

表題の曲は平家落ち武者の里を扱った演目。民謡のひえつき節を前後に挟んだ、琵琶歌としては異色の演目で。民謡の素養が皆無な錦穣に藤波主導で節付けをした為、この曲は藤波櫻華作曲”水藤錦穰補曲”とクレジットされている。音源は2人の相吟で昭和30年代東京で録音、北米(ロサンゼルス)でラジオ放送されたもの、歌詞に敦盛の一節が足されている。

那須與一の弟那須大八宗久は、平家の残党討伐のため鎌倉より日向の国椎葉村へ遣わされるがもはや平家に再興の意思なく、静かに暮らす落人のために宗久は平家は絶えたと鎌倉に報告をし、自身は村娘鶴富姫を娶るのだった。作 原田謙次

[音源-椎葉の月NHK北米 水藤錦穣/藤波櫻華]

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調布で演奏致します

10月30日、調布駅前のグリーンホールで催す邦楽演奏会にて演奏致します。

調布市文化祭邦楽演奏会ー表

調布市文化祭邦楽演奏会プログラム

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錦琵琶の起因と永田錦心の鑑識 椎橋松亭

以下は琵琶新聞365号(昭和17年1月)の椎橋松亭氏によるコラム、楽器としての錦琵琶誕生前夜の回想録です。
※旧字を改め現代仮名遣いに直してあります。

水藤玉水 (大正15年1月)

大正十五年正月
門松が取れて琵琶のお稽古が始まった1月の初め、日曜日の奥義試験が終わって掃き清められた静かな玄関、ここ千駄ヶ谷は錦心流宗家永田錦心邸の午後である。格子戸がガラガラと明くと少女の声で、
「ごめん下さい、水藤玉水です、先生にお目にかかりにまいりました…」
大正15年頃の錦心は日曜日毎に午前中は、2-30人からの昇伝試験に多忙を極め、それが済むと二階の陽当たりの良い書斎で机に向かい琵琶道の改革を目論んで新音譜の研究に邁進していたのである。
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石田琵琶店オンラインショップ開設

オンライン開設のお知らせ

石田琵琶店がオンラインでの通販を始めたそうです。詳細は直接ウェブサイトをご覧下さい。

石田琵琶店オンライン

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作詩家 秩父嘯風

秩父嘯風(ちちぶしょうふう)、戦後から病没するまで錦琵琶水藤錦穣を陰から支えた応援者、水藤錦穣の楽曲に挿入される吟詠を作詩した。例外として唯一琵琶歌“中山安兵衛(高田の馬場の駆け付け)“がある。 本名 田島菊次 職業 弁護士 昭和37年没

曲垣平九郎
石磴馬を踊らして一鞭雄なり 三百の諸侯夢中に仰ぐ
愛宕山頭春未だ老いず 銀鞍独り輝く落花の風

扇の的
與一宗高歳十七 鏑の矢に懸くる百年の命
屋島の風勢源平を弄ぶ 忠誠天に通じて万雷の喜び

新撰組
鴨川橋畔月光に満つ 忽ち起る勤王佐幕の闘い
悠久の大義憂国の叫び 虎徹の一閃電撃の如し

大高源吾
多年の艱難今日ぞ報ゆる いざ泉下に到て 亡君に見(まみ)えん

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