[肥後琵琶](下) 山鹿良之

琵琶機関誌”京絃”に昭和54年(1979)掲載された寄稿文の最終回です。

芸と祓い
 山鹿さんは二十九歳で結婚した。結婚する前は筑後を中心に廻っていたが、子供が出来てからは南関町や山鹿市など、主に家の近くを廻るようになった。また山鹿さんの琵琶師としての活動は大変広いものであった。
座敷琵琶や、わたまし、釜は祓いの他追善供養、観音様、御大師様、神社の夜籠りー等、様々な機会に招かれ、琵琶を弾いた。仏事には般若心経、懺悔経、舎利経、三十仏などの経文や仏名を唱えた。また村の祝事の祈りに琵琶を弾いたこともあった。 Continue reading

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[肥後琵琶](中) 山鹿良之

琵琶機関誌”京絃”に昭和54年(1979)掲載された寄稿文、その続編です。

門弾きの体験
 山鹿さんは、福岡県は筑後平野にある山門郡瀬高町清水という部落に門弾きに行った。それまで独りでしたことのなかった山鹿さんは、家の門口に立ってはみるがなかなか家の中へは入れなかった。けれどもその日の宿も確保しなければならず、恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら琵琶を弾いた。一曲を弾き終わり、どうにか仕事をすることが出来た。そこで家の人に「このへんにどこか泊めてくれる所はないでしょうか」と尋ねてみた。すると家人は近くの本吉というという部落に琵琶語りさんが居て、この辺に門付けにくる芸人さんがよくその家に泊まるということを教えてくれた。本吉のその家に行ってみると丁度、家の主人である石橋福太郎という琵琶弾きさんが門弾きから帰ってきたところであった。宿を頼んでみると「良かですよ、泊まんなさい」と心よく云ってくれた。(門付けをする芸能者たちはこのようにして互いに助けあっていたのであろう。) Continue reading

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第4回 琵琶づくし -語るは戦国時代‼ー

表題の催しに参加いたします。テーマは戦国時代、私はお市の方を予定しています。

琵琶づくし裏

琵琶づくし表

琵琶寄席
6月25日14時開演(13:30開場)
伝統文化交流館(JR田町駅下車)

出演
藤波白林
川嶋信子
逢坂誉士
千山ユキ
※琵琶人のトークショウがあります。
落語
三遊亭遊七

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[肥後琵琶](上) 山鹿良之

以下は関西の琵琶機関誌”京絃”に昭和54年(京絃298−301号)に掲載された記事です、執筆者は村山道宣さん。その時その場所でしか聞けない貴重なインタビューが綴られており、ここに数回にわたり転載いたします。

肥後琵琶師の山鹿さん
まだ強い日差しの残る、夏も終わりになった或る日、私は熊本県の北端にあり、筑後平野にも程近い玉名郡南関町小原に住む琵琶師・山鹿良之さんを訪ねた。明治34年、同地の農家に生まれ、今年76歳(昭和54年当時)になる山鹿さんは私に修業時代の話や門弾きの折の話など数々の思い出話をしてくれた。 Continue reading

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令和5年夏季琵琶楽大演奏会

表題の演奏会に錦心流の大和龍弦氏と出演いたします。みなさま是非おいで下さい。

6月18日番組

6月18日外側

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[訃報]岩﨑玄龍師

岩﨑玄龍師

薩摩琵琶錦心流の岩﨑玄龍師が2月7日亡くなられました。享年75歳、そう広くない琵琶界において強烈な個性を放っていた方だけに大変惜しい人財でした。

師は錦心流浅野晴風門人、のち薩摩琵琶伊集院流の望月唖江師に師事し、浅野晴風門下として山下晴楓師、薩摩正派の望月唖江師門人として錦の水藤五朗師と兄弟弟子という関係で、私ども錦琵琶にも影に日向に応援していただきましたこと誠に深謝いたします。師のご冥福をお祈りいたします。

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令和5年新春琵琶楽名流大会

きたる1月14日(土)東京証券会館に於いて新春琵琶会が催されます。下記パンフレットの通り私共藤波母子も出演致します。他各流派の代表的奏者も出演します、ご興味のある方是非おいで下さい。

令和5年新春名流大会内側

令和5年新春名流大会外側

とき 令和5年1月14日正午開演
ところ 東京証券会館8Fホール

1.湖水乗切(鶴田流)六川あや
2.春の宴(鶴田流)逢坂誉士
3.耳なし芳一(錦心流)坂麗水
4.秋風故郷山(筑前)澤邊旭秋
5.西行(錦心流)荒井泉水
6.うつぼ猿(錦)
歌:藤波桜華 絃:藤波白林
7.勝と西郷(錦心流)篠井啓水
8.会津娘子隊(筑前)高津旭房
9.毒饅頭(錦心流)大熊阿水
10.大物の浦(筑前)鶴山旭祥

ー休憩10分ー

11.羅生門(筑前)石橋旭姫
12.月下の陣(薩摩)
歌:本橋汕舟 絃:清川嵐舟
13.花吹雪(錦心流)小金澤朱水
14.那須与一(鶴田流)櫻井亜木子
15.曲垣平九郎(筑前)田代旭美
16.大高源吾(錦)都穂鳳
17.勧進帳(錦心流)森中志水
18.お市の方(錦)水藤桜子
19.大楠公(筑前)竹本旭将
20.潯陽江(薩摩)須田誠舟

17時30分頃終演予定

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吉岡悠水師追悼演奏会 秋田

うっかり事後の書き込みになってしまいましたが表題の演奏会に出演して参りました。

吉岡悠水師追悼演奏会表面

吉岡悠水師追悼演奏会表面

錦心流琵琶全国一水会秋田東支部

2022年11月23日(水祝)13時開演
於:ねぶり流し館(秋田市)

出演
1,金剛石  中田実
2,屋島の誉 高濱遼平
3,羅生門  鹿島茜水
4,さくらさくら 長谷川万水
5,湖水乗り切り 吉岡悠水(録音)
6,船弁慶  加藤雨水
7,   欠演
8,勧進帳  藤波白林
9,巴御前  鷹觜優水

私は勧進帳を演奏、コロナ禍でしたが多くのお客様がおいでになりました。

-勧進帳- 藤波白林

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椎葉の月 水藤錦穣/藤波櫻華

表題の曲は平家落ち武者の里を扱った演目。民謡のひえつき節を前後に挟んだ、琵琶歌としては異色の演目で。民謡の素養が皆無な錦穣に藤波主導で節付けをした為、この曲は藤波櫻華作曲”水藤錦穰補曲”とクレジットされている。音源は2人の相吟で昭和30年代東京で録音、北米(ロサンゼルス)でラジオ放送されたもの、歌詞に敦盛の一節が足されている。

那須與一の弟那須大八宗久は、平家の残党討伐のため鎌倉より日向の国椎葉村へ遣わされるがもはや平家に再興の意思なく、静かに暮らす落人のために宗久は平家は絶えたと鎌倉に報告をし、自身は村娘鶴富姫を娶るのだった。作 原田謙次

[音源-椎葉の月NHK北米 水藤錦穣/藤波櫻華]

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調布で演奏致します

10月30日、調布駅前のグリーンホールで催す邦楽演奏会にて演奏致します。

調布市文化祭邦楽演奏会ー表

調布市文化祭邦楽演奏会プログラム

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